スキンバリアを正しく知る
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肌の構造と、健やかなバリア機能を保つためのケアについて

スキンケアが「洗う」「潤す」だけの時代は終わり、今や肌本来の機能を尊重したアプローチが重視されています。中でも、外的刺激から肌を守り、うるおいを逃さない“スキンバリア”は、揺らぎやすい現代の肌において重要なキーワードです。
本記事では、肌のバリア機能を構成する層と、それぞれの役割、さらに健やかな状態を保つためのステップをご紹介します。
肌表面の4つの層とその役割
1. マイクロバイオーム(皮膚常在菌)
皮膚表面には、目には見えない微生物の集まり=マイクロバイオームが存在します。これは肌のコンディションを支える存在であり、外部からの刺激に対して肌を守る環境のひとつとされています。
2. アシッドマントル(皮脂膜)
皮脂と汗が混ざってできるごく薄い膜で、肌表面を弱酸性に保つことで、バランスのとれた状態をサポートしています。過剰でも不足しても肌トラブルにつながるため、適切な状態を維持することが大切です。
3. リピッドバリア(脂質バリア)
コレステロールやセラミドなどの脂質で構成され、水分の蒸発を防ぎながら外的刺激から肌を守る、肌の「物理的バリア」です。水分を保持するだけでなく、肌荒れを防ぐ要ともいえます。
4. 表皮(エピダーマス)
肌の一番外側の層で、紫外線などの外部刺激に対する防御機能の中心を担います。ターンオーバー(角質の生まれ変わり)を通して肌の健康を保ちます。
スキンバリアが乱れるとどうなる?
バリア機能が低下すると、うるおいを保持できず、乾燥やつっぱり、敏感さを感じやすくなります。また、肌が刺激に対して過敏に反応しやすくなることもあります。結果として、肌のキメが乱れたり、外的ダメージを受けやすくなる場合があります。
バリアを整えるためのケアアプローチ
1. 成分で選ぶ“バリアサポート”製品
バリア機能を整えるケアには、ナイアシンアミド、セラミド、脂肪酸など、肌のうるおいを保つサポートが期待される成分が配合された製品がおすすめです。
また、アロエベラやカレンデュラなど植物由来のうるおい成分は、肌を穏やかに整えると言われています。
💡おすすめの取り入れ方:
- 朝晩のスキンケアのブースターとして導入美容液に
- 肌の乾燥が気になる部分に集中ケアとして
2. クレンジングは“落とす+守る”を両立
洗浄力が強すぎるクレンジングは、必要なうるおいまで取り除いてしまうことがあります。
代わりに、植物オイルやバームタイプのクレンジングを取り入れると、メイクや皮脂をやさしくオフしながら、肌のバリアを守ることができます。
💡組み合わせ例:
- バームでメイクを浮かせて → ミルククレンジングやジェルでダブル洗顔
- 洗顔後にミセラーウォーターでふき取り仕上げも◎
3. 保湿は「重ねる+閉じ込める」ケアを
バリア機能が低下している肌には、保湿が最も重要なアプローチのひとつ。
ヒアルロン酸やスクワランなど、うるおいを抱え込む成分に加え、肌表面にとどまり蒸発を防ぐバームタイプの保湿剤を夜に取り入れるのも効果的です。
4. 日中の紫外線対策も忘れずに
紫外線は、肌表面のうるおいやバリア成分を減少させる要因のひとつと考えられています。ノンケミカル(紫外線散乱剤)の日焼け止めは、敏感な肌にも取り入れやすく、バリア機能を守るサポートとなります。
美容メディア的おすすめアイテム(例)
以下のような製品は、日々のルーティンに取り入れやすく、バリアケアの観点から注目されています:
- シーバックソーン配合クリーム:オメガ脂肪酸を含み、肌をうるおしながら保護
- ローズウォーターのミセラー水:摩擦レスでクレンジングでき、敏感肌にもやさしい
- キュウリエキス入り泡洗顔:心地よい軽さと保湿の両立で、洗顔時の刺激を軽減

よくある質問(FAQ)
Q. スキンバリアが乱れているサインは?
乾燥、つっぱり、赤み、かゆみ、刺激感などの症状がある場合は、バリアが一時的に不安定になっている可能性があります。
Q. バリアが弱っているとき、避けたほうがよい成分は?
アルコールや合成香料、強いピーリング成分(グリコール酸など)は控えるのが無難です。
Q. バリアを整えるのに、どれくらい時間がかかる?
軽度の乾燥であれば1~2週間、より深刻な状態では1か月以上かかることもあります。大切なのは継続したやさしいケアと、肌への「刺激の最小化」です。
